妊娠中、授乳中のママって頭痛に悩まされることが多いですよね。妊娠によって体のホルモンバランスが崩れてしまうので、どうしても体調に変化が訪れます。
我が家の妻も昨年10月に第2子を出産し、ただいま授乳期間中。
妊娠期間もそうでしたが、出産が終わり授乳期間中の今でも頭痛に悩まされています。昨日も頭痛がひどく買い物へ行けないと倒れ込んでいました…。買い物くらいは僕が行けばいいんですけど、頭痛が治らないのは辛そう。
妊娠期間中・授乳期間中は基本的に薬を飲む事ができません。赤ちゃんへの影響があるため、薬の服薬が制限されてしまいます。
妊娠中の服薬は、胎児の奇形や流産、生まれてくる赤ちゃんの病気や障害を引き起こすリスクがあります。授乳期間であっても、赤ちゃんはママからの栄養を受け取っているので同じくリスクが伴います。
しかし、薬と言っても妊娠期間中に飲まないほうがいい薬、飲んでも影響が少ない薬があります。ここでは、妊娠中・授乳中に飲んでもいい薬と避けたい薬をご紹介します。
妊娠、授乳期間中は頭痛になりやすい
普段は頭痛に悩まされる事が少ない女性でも、妊娠期間中・授乳期間中は頭痛に悩まされる事が多くなるようです。
基本的には体内のホルモンバランス変化によって頭痛が起こるのですが、それ以外の原因も考えられます。まずは頭痛の原因を把握することも、薬を服用するかどうかの判断になるでしょう。
血圧の変化によって頭痛が起きる
妊娠期間中はママの体に別の生命が宿っています。体の中に別の体が入っている状態です。
すると、女性の体質によってはホルモンのバランスが大きく崩れてしまったり、血圧が変化したりします。高血圧、低血圧といった体の体調変化が起きやすい時期。
すると、その血圧の変化によって頭痛を誘発するママがいます。
生活リズムの乱れによって頭痛が起きる
妊娠期間中はお腹に赤ちゃんがいることで、どうしても体が重くなります。すると、いつも行なっていた作業が億劫になることも多々あるでしょう。
いつもならゆっくり寝れていたはずなのに、お腹が重たいことでなかなか寝付けなかったり、歩きにくくてすぐに疲れてしまったり。
そういった体への負荷が原因で頭痛が起きることも考えられます。
また、授乳期間中は赤ちゃんの夜泣きに悩まされているママも多いでしょう。
- 自分は眠たいのに、赤ちゃんの鳴き声で3時間おきに起きないといけない。
- 授乳のタイミングを見計らって寝る事ができない。
- 赤ちゃんの急な体調変化があり付きっきりで見ていないといけない。
など、育児期間中のママは大変…。そんな生活リズムの変化が原因で、頭痛が起きている可能性もあります。
血行不良によって頭痛が起きる
妊娠、授乳期間中は体を動かす事が少なくなるので、血行不良が原因で頭痛を引き起こしているケースもあります。血行不良による頭痛は、首や肩のコリを誘発する事が多く、首筋から肩にかけて頭全体が締め付けられるように痛むのが特徴。
そのため、妊娠期間中でも無理をしない程度に体を動かしたり、ストレッチをしたりするのが効果的。
妊娠期間中でも服用できる薬
妊娠期間中、授乳期間中というと薬に対してかなり過敏になってしまいがちですが、全ての薬が服用できないということではありません。医学的に安全が立証されている薬であれば、妊娠・授乳期間中でも服用する事ができます。
「妊娠してるから薬は飲めないんだ。」と頑なに我慢してしまうのではなく、服用できる薬を医師に相談しながら飲む方が、体にストレスを溜めずに子育て出来るかもしれません。
といっても、これからご紹介する薬も「どれだけ飲んでもOK!」というものではありませんので、服用するときにはしっかりと医師へ相談しましょう。
アセトアミノフェンが主成分となっている頭痛薬
アセトアミノフェンというのは頭痛薬に含まれている鎮痛成分。昔から多く使用されており、妊娠期間中でもママの体に悪影響がない事が確認されている成分なので、ママでも安心。
- ノーシン
- タイレノール
などの頭痛薬は、このアセトアミノフェンが主成分になっている頭痛薬です。
悪影響が無いといっても、飲む事が推奨されている薬ではありません。服用するときには、しっかりと事前に医師へ相談しましょう。
病院で処方される頭痛薬
実は、頭痛がひどい時に産婦人科へ相談すると頭痛薬を処方してくれる場合があります。病院で処方してもらえる薬は、多くの場合「カロナール」という頭痛薬。
カロナールもアセトアミノフェンが主成分となっている鎮痛剤で、妊娠中でも安心して使用できる頭痛薬として、昔から使用されているものです。病院で処方される薬ということで、多くの人は安心して服用できますね。
しかし最近になって、カロナールを妊娠後期(妊娠28週以降)に服用すると、赤ちゃんの動脈管が収縮し「新生児遷延性肺高血圧症」を引き起こす可能性があるという研究結果が発表されました。そのため、病院で処方される鎮痛剤でも、しっかりと医師に相談して副作用についての説明を受けましょう。
カロナールは他の頭痛薬に比べると安全ですが、100%安全と言える薬はありません。出来るだけ薬に頼るのは避けたいですね。
妊娠期間中に服用しない方がいい薬
妊娠期間中は、基本的に薬の服用を避けるよう案内されます。ママが体に取り入れたものが赤ちゃんへも影響するので、薬のような刺激物は赤ちゃんへ悪影響を与える可能性があります。
しかし、悪影響があるのは薬自体ではなく、その薬に含まれている成分です。つまり、悪影響のある成分が含まれていない薬なら、服用しても大丈夫という事。
ここでは、妊娠期間中・授乳期間中に避けるべき代表的な薬をご紹介します。
アスピリンが含まれている頭痛薬
頭痛薬の成分表を見てもらうとわかるのですが、頭痛薬にはアスピリンという成分が含まれているものがあります。
妊娠1週〜15週(妊娠初期)のころにアスピリンを服用すると、奇形児が生まれる可能性が高くなると言われています。そのため、妊娠期間中や授乳期間中にはアスピリンが含まれている薬は服用しないよう気をつけましょう。
市販で売られている薬でも
- バファリンA
- バファリン顆粒
- ケロリン
などの鎮痛剤にはアスピリンが含まれているので要注意。もし、そのような薬を服用する必要がある場合、ちゃんと服用前に医師に相談しましょう。
アスピリンは非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)に分類される薬で、妊娠後期(妊娠28週以降)の服用が推奨されていないものです。
しかし、不育症などの治療のためアスピリンを内服する場合があります。これは医師からの指示によるものがほとんどなので心配する必要はありません。もし気になる場合は医師に確認してみましょう。
イブプロフェンが含まれている頭痛薬
頭痛薬の中には、イブプロフェンという成分が含まれている薬もあります。
- イブ
- バファリンルナ
といった頭痛薬の成分表を見てもらうと、イブプロフェンが含まれている事がわかるでしょう。
イブプロフェンは妊娠期間中の服用が認められている場合があるようですが、メーカー記載の服用ほうを確認すると「妊娠期間中の服用は避けたほうが安心」と書かれています。イブプロフェンも非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)に分類される薬です。
薬のパッケージにも「妊娠28週以降(出産予定12週以内)は避けてください」とも表記されているので、心配な方は服用を避けた方が安心でしょう。もし服用する場合は、しっかりと医師の診断を受けましょう。
ロキソニンが含まれている頭痛薬
商品名にもなっているロキソニン。テレビCMも放送されているかなりメジャーな頭痛薬ですよね。
しかし、そのロキソンも医学的に「妊娠期間中の服用が大丈夫」という結果は出ていません。さらに、メーカーからの注意書きでも「出産予定の12週前(妊娠8ヶ月目以降)は使用しないように」とされています。
基本的には服用しない事、服用する必要があるときには医師に確認を取ることを徹底しましょう。
薬を服用する時には医師に相談する
妊娠中、授乳期間中に服用しても大丈夫とされている市販薬も多くありますが、服用する前にしっかりと医師の診断を受けましょう。薬による副作用は、薬の成分、飲むタイミング、子供の成長時期など様々な要因が考えられるので、自分で判断せずに専門の医師に判断してもらうのが確実ですね。
育児が忙しくてどうしても我慢出来ない時もあるかもしれませんが、不用意に市販薬を服用するのではなく、薬が必要な時には医師が勧めている頭痛薬を飲むようにしましょう。
生活習慣の見直しや、体を動かすことで頭痛を緩和する
妊娠中、授乳期間中はなるべく薬の服用を避け、対症療法で改善する事が推奨されています。しっかりと睡眠をとり、適度に体を動かし、規則正しい食生活を送る事が大事です。
頭痛を抑える薬として、化学薬品を使用した一般的な薬だけではなく漢方薬の服用を勧められる場合もあります。ホルモンバランスの乱れを抑える加味逍遙散(かみしょうようさん)、肩や首のコリを和らげる葛根湯(かっこんとう)などは有名な漢方薬ですね。
大事なのは、妊娠期間中は薬の服用自体がダメという訳ではなく、その薬に含まれる化学成分が体に悪影響を与える可能性があるという事です。いわゆる副作用というものですね。
そのため、妊娠、授乳期間中は薬に含まれている成分についてしっかりと確認しましょう。