最近、うちの会社に新しくWebデザイナー志望の女の子を迎え入れました。こんにちは、パンダリオン(@pandarion_com)です。
僕はWeb制作、コンサルティングを行う会社も経営しています。なので、ほぼ毎日のように就職応募者の方と面接。多いときは1日に3人ほど面接させていただいてます。
この2年間で面接させていただいた方は500人以上かも…。と言っても、その面接から実際に採用となったのは2人だけ。250分の1という狭い門になってしまいました。
面接、採用基準をめちゃくちゃ厳しくしているわけではないんですが、実際のところ僕の会社ではそこまで募集を強く行なっていなかったんです。募集も自社のホームページで表示しているだけ。
でも、応募してくれる方がたくさんいる。それだけWeb業界って人気がある仕事なんですよね。
と言っても、全員を採用するわけにはいかないので、その度に面接しています。バリバリ募集しているわけではないので、面接の中でキラッと光る方だけ詳しく話を聞いて、採用とさせて頂きました。
これからWebデザイン関連のお仕事をしたいと思っている方!僕みたいに積極的に募集していない会社でも、面接でキラリと光るものを見せつければ採用まで結び付けられるかもしれません。
今回は、そんな僕がWebデザイナーの面接をするときに気をつけているポイントについてご紹介します。これから応募される方は、このポイントに気をつけて頂くと面接もスムーズに進むかも…?
※これは僕の面接判断基準なので、全ての会社に当てはまるものではありません。その点だけご了承ください。
履歴書の書き方
これは基本の基本、採用応募に無くてはならない履歴書です。
と言っても、履歴書にびっちり文字を書き詰めるのが大事なのでは無くて、デザイナー応募される方の履歴書を見るときに僕が確認しているのが
[st-square-checkbox bgcolor=”” bordercolor=”” fontweight=”” borderwidth=”3″]- 履歴書の要項がしっかりと満たせているか
- 文字サイズや間隔など、見やすい状態か
- 伝えたい内容を明確にできているか
と言ったポイント。それぞれ、簡単にご説明します。
履歴書の要項を満たせているか
履歴書というのは、その人が現在どこに住んでいて、今までどんな仕事をしていたのか、どんな資格を持っているのか(何ができるか)、応募に際して何を希望しているのか、などと言ったことを確認するための書類です。
本人確認が取れることはもちろんですが、今までの経歴や、会社へ入社してやりたい事まで、全てを履歴書で伝える事が出来ればベストですね。
面接で全てを話してもいいかもしれませんが、まずは履歴書の段階で採用担当者にしっかりと伝える事が必要です。面接する前から、企業側がその人に興味を持てるような状態まで持っていくのが大事。
なので、履歴書を書くときにはなるべく空欄を作らないように、自分が出来ること、やりたい事をしっかりとアピールした方がいいですね。さらに、読み手の採用担当者が内容がハッキリ分かって、「この人はイイ!」と思ってもらえるように構成する事が必要。
というのも、デザイナーというのは、デザインで人に物事を伝える仕事。何事もしっかりと伝えられなければデザイナーになるのは難しいですね。
Webデザインというのは、アーティスティックな画像で人に感動を与える仕事とは少し違います。僕なりに考えているWebデザイナーというのは、必要な情報を的確に伝え、かつ興味を持ってもらえる事が必要。
デザイナーの仕事を始めると、お客さんが考えている事を最大限に具現化する事が求められます。そのお店のウリだったり、他社と差別化できるポイントをしっかりと的確に打ち出し、ユーザーの興味を引く事が大事。
つまり、自分の思っている事、希望している事を文字でハッキリと書くのは大前提の話。履歴書の文面(日本語)で自分をアピール出来ないようでは、デザイナーとしてお客さんの要望を満たすことは難しいと考えています。
なので、Webデザイナーとして応募してくださる方にも、しっかりと履歴書を求めています。自分をアピールする場所なので、しっかりと使ってもらいたいですね。
履歴書の文字サイズや間隔などが見やすい状態か
履歴書でどれだけ自分が伝えたい事を書いたとしても、履歴書自体が見にくい状態だともったいないですよね。一生懸命書いたのに、採用担当者に何も伝わらない。
びっちり書かれても文字サイズが小さいと読みにくいですし、文字同士がくっ付いていると読むのが大変で、内容がさっぱり頭に入りません。
デザインのお仕事も同じです。
クライアントからすれば、ユーザーに伝えたいことはたくさんあります。自社のいいところ、他とは違うところ、など色んな情報をユーザーに知ってもらいたいでしょう。
しかし、全てを1枚のデザインに詰め込むのは大変です。ぎっしりと情報を書きなぐっても、ユーザーは見向きもしてくれません。
見にくいデザインほど勿体ないものはありません。ユーザーがチラッと見ただけで、こちらの伝えたい事をしっかりと表現できるように構成しましょう。
そのためには、まず履歴書の文字サイズ、文字間隔が適切かどうか見直す必要があります。文字が小さく詰め込まれているだけで、採用担当者から弾かれてしまうかもしれません。
履歴書で伝えたい内容を明確に出来ているか
採用側が履歴書で確認したいのは、何もあなたの住んでいる場所や職務経歴だけではありません。
今までどんな事をしてきたのか、そこで何を得たのか、これから入社して何をしたいのか、そういったポイントまで確認したいと思っています。面接のネタとしても。
採用担当者だけならこれまでの職務経歴で判断するのかもしれませんが、経営サイドとしては入社してからどのように仕事してくれるのかが気になります。そのための個人アピールです。
となると、アピール欄にはそういった事を記載するべきですね。
また、ただ内容を羅列するように記載するだけでは無く、一番見て欲しい部分を目立たせることも必要です。
といっても履歴書なので過度な装飾をするのはタブーですし、赤文字を使ったりすることも出来ません。
そこで、文章の書き方を工夫しましょう。書き出しの順番を考えたり、改行のタイミングに気をつけたり、文字の大きさに気をつけたり、といったポイントで伝えたい事を目立たせる工夫が必要です。
[st-kaiwa2]この人は十分な経験があるし、入社してからも即戦力になってくれそうだ。[/st-kaiwa2]と感じてもらうことも大事ですし、もし未経験だったとしても
[st-kaiwa3]一つ一つの仕事を丁寧にこなしてくれそう。向上心が見られるから、会社で成長してもらいたい。[/st-kaiwa3]と感じてもらうのも一つの方法ですね。
このように、伝えたい内容をハッキリと読み手に伝えるのもデザイナーとして必要なスキル。それをアピールするためにも、履歴書で文章の書き方に気をつけましょう。僕はそういったポイントを見ています。
ポートフォリオ(作品集)を提出する
デザイナーとして応募するとき、多くの場合は採用担当者から
[st-kaiwa2]デザインのポートフォリオを持参してください。[/st-kaiwa2]と言われる事があります。
ポートフォリオというのは、今までの実績作品集と思えば大丈夫です。特段決まった形式があるわけでは無く、自身の作品をアピールするための大きな材料として捉えるといいでしょう。
面接の際に提出するポートフォリオは、あなたの実績を確認するだけでは無く、デザイン力を測るものでもあります。面接官、採用担当者はあなたがどのようなデザインを作ってきて、これからどんな仕事ができるのかを判断します。
僕の場合、採用サイドの判断基準として履歴書よりも大きな採用材料となります。それほどポートフォリオの作り込みには注意が必要。
僕がポートフォリオを拝見するときに気をつけているポイントは
[st-square-checkbox bgcolor=”” bordercolor=”” fontweight=”” borderwidth=”3″]- デザインの多様性があるか
- コンセプトを持ってデザインしているか
- クライアントの要望を汲み取っているか
というポイント。
ポートフォリオにデザインの多様性があるか
今までデザインを行なっていた人でも、印刷物のデザインだけをしていた、Webのデザインだけをしていた、というように偏りがあるかもしれません。
しかし、だからと言って
[st-kaiwa3]私はこの分野でしかデザインはしません。[/st-kaiwa3]なんて言えないのがデザイナーとしての転職。Webデザイナーとして就職しても、そのほかのデザイン制作を頼まれることは多々あるでしょう。そういった別分野にもすぐ対応できる多様性が必要。
といっても多様性というのは、作業媒体の多様性だけではありません。しっかりとそのデザインにあった素材を採用できているかも見ています。
ポートフォリオでたくさんの作品を紹介していたとしても、全て同じような写真構成だったり、同じようなフォントを使用している場合、採用担当者から見れば
[st-kaiwa2]あぁ、自分の中のルールから発展できないのかな。[/st-kaiwa2]なんて判断される可能性が大いにあります。少なくとも、僕はそう感じてしまいます。
例えば、多くの人の目を引く必要性があるチラシの場合、読みやすいフォントで大きくキャッチを載せるべきですよね。まずは振り向いてもらう工夫が必要です。
しかし、その分野に興味がある人だけが見るWebサイトの場合は違います。フォントもこだわって、他との差別化が必要でしょう。読みやすく大きなものである必要性はありません。
それくらい、フォントスタイルをしっかりと使い分け出来る事が求められます。
これはイラストや写真構成も同じ。どれも同じような色使い、構成になっていると
[st-kaiwa2]うちのデザインとか、依頼しても大丈夫なのかな?こんなテイストじゃないんだけど…。[/st-kaiwa2]と不安になってしまいます。
自分が好みのデザインテイストがあったとしても、ポートフォリオを提出する場合にはしっかりとデザインの多様性をアピールする事が必要。
デザインに対してのコンセプトを持っているか
デザイナーという仕事は、クライアントからの指示を待って作業を行うようなものではありません。
クライアントの要望を聞くことはもちろんですが、自分で作品をクリエイティブしていく必要があります。あなたの考えをベースに全体のデザインをしていきますね。
そのため、あなたがそのデザインを作成するときに
- クライアントのどのような要望を考慮して
- どのような方針で
- どんな考えを持って
デザインを作ったのかを明確にする必要があります。ポートフォリオの各ページに補足としてコンセプトを書いておくと分かりやすいかもしれませんね。
「こんな細かく必要なの!?」と思われるかもしれませんが、あなたのデザインを初めて見た人は、そのデザインは分かっても、あなたがどのように考えてデザインしたかは分かりません。
クライアントとのやりとりも分かりませんし、気をつけていたポイントも分かりません。実際にそのデザインで効果があったのかどうかすら、判断が難しいですよね。
だからこそ、せっかくの作品集にはしっかりとコンセプトを記載しましょう。あなたが抱いていたコンセプトも、採用に関して一つの判断材料です。
そのデザインはクライアントの要望を汲み取っているか
あなたはデザイナーとして会社へ就職します。ということは、会社はあなたへデザインを依頼する立場になるんですね。いわゆるクライアントです。
つまり、僕たちが依頼する、その依頼内容をしっかりと汲み取ってデザインしてくれる事が入社の前提となります。それは外部のお客さんに対しても同じ。
自分の感性でデザインしていくことも大事ですが、あくまでもクライアントからの要望を、要件を満たしている事が前提。そうでなければ、そのデザインは商業的なデザインではなく、芸術的なアートになってしまいます。
ポートフォリオを作成するときには、そのデザイン案件を行った時にクライアント側から求められていた要望もメモしておきましょう。
- とにかく安売りしていることを伝えたい
- 新しい商品発売の告知がしたい
- 期間限定って文字で集客したい
- マニアだけが見てくれればいい
など、デザインを依頼するクライアントからも要望はあるでしょう。「売れたらいいな!」なんてザックリした要望もあるかもしれませんが、そういったものを細かくデザインするのは難しいですよね。それは要望とは言えません。
そこで、ポートフォリオを作成するときには「クライアントから〇〇という要望があり、それを満たすために〇〇という部分に気をつけた。」という表示が欲しいですね。
仕事をするということは、その仕事の先にはクライアントがいます。クライアントの要望を汲み取ることもデザイナーとしての大事な役割ですね。
就職面接でも、デザイナーとして目立とう
就職面接の場面というのは、どうしても身構えてしまいがち。
[st-kaiwa3]変に思われたらどうしよう…。[/st-kaiwa3] [st-kaiwa2]当たり障りなく、自分をアピール出来ないかな…。[/st-kaiwa2]なんて考えてしまうのかもしれませんが、せっかくの面接の場面ですから、デザイナーとして採用担当者にしっかりと把握してもらう事が大事。
僕が面接をするときに大事にしているのは、先ほども述べたとおり
[st-square-checkbox bgcolor=”” bordercolor=”” fontweight=”” borderwidth=”3″]- 履歴書の要項がしっかりと満たせているか
- 文字サイズや間隔など、見やすい状態か
- 伝えたい内容を明確にできているか
- ポートフォリオのデザインに多様性があるか
- コンセプトを持ってデザインしているか
- クライアントの要望を汲み取っているか
といったポイント。
これは僕が意識しているポイントというだけですが、ここだけでも押さえておくと採用担当者、面接担当者からの見た目が少しは違うのかもしれません。
これからWebデザイナーを目指す方は、面接の際にこういったポイントをに気をつけておきましょうね。