ビールの種類は3つ?エールとラガーの違いについて調べてみた

ビールの種類は3つ?エールとラガーの違いについて調べてみた

こんにちは、毎日の晩酌を欠かさないパンダリオン(@pandarion_com)です。

そう、僕は毎日のように晩酌をしています。しかも、決まって飲むのはビールだけ。完全なビール党。

ビールしか飲めないってわけじゃないんだけど、なんだかんだ家でも外でも飲むのはビールだけ。居酒屋へ行っても最初から最後までずっとビール。

いつも飲んだ後にブログを書いているわけなんですけど、ふと「ビールってどれくらい種類あるんだろう?」なんて疑問に思ったんですよね。

アサヒのスーパードライとか、キリンの一番搾りとか、エビス黒ラベルとか、一般的な居酒屋においてあるビールは良く飲むけど、もっとマイナーな美味しいビールもあるんじゃないか?と。

最近はビアホールによく行くようになって、エールを飲む機会も増えてきたんだけど、それ以外にもいっぱいあるんじゃない?

ってことで、ビールの種類を調べてみました。

そもそもビールとは

ビールサーバー

これだけビールばっかり飲んでるけど、実際のところビールって何なの?って聞かれるとちょっと困る…って人のために、まずは「ビールとは」ってポイントから紹介していきましょう。

ビールという飲み物は、酒税法第3条第12号で次のように定められています。

  • 麦芽、ホップおよび水を原料として発酵させたもの。
    (アルコール分が20度未満のもの)
  • 麦芽、ホップ、水、および麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの。
    (アルコール分が20度未満のもの)
    ただし、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の10分の5を超えないものに限る。

ビールって”お酒”っていう認識しかなかったと思うんですが、実はこれだけしっかりと決められている飲み物だったんですね。

特に2番目の「その他の政令で定める物品(麦、こめ、とうもろこし、こうりやん、ばれいしょ、でんぷん、糖類など)が麦芽の重量の半分を超えないもの」というのがポイント。その他の物品が半分を超えてしまうとビールではなく発泡酒という扱いになってしまうんです。

その他の政令で定める物品(米、でんぷんなど)を使用するとタンパク質やアミノ酸が少なくすっきりとした味わいのビールになりますが、そのような副原料を使用しないビールは麦芽の香りが強く出た一般的に”きつい”ビールになります。

しかし、麦芽に関して「大麦麦芽」と指定されているわけではないので、小麦麦芽を使用しているアルコール飲料(バイツェンビールなど)もビールとして分類されます。

発酵に関しても、酵母による発酵とは指定されていないので、ランピックのような酵母発酵と乳酸菌発酵が同時に行われるものもビールとして分類されているんです。

ビールの分類

ビールにも種類がある

ビールと一言に行っても政令でしっかりと定められていることがわかりました。

しかし、消費者の嗜好の変化やライフスタイルの変化によって、最近ではビールの種類も多様化しています。麦の香りが濃いビールが好きな男性もいれば、ちょっと甘いビールが好きな女性もいるでしょう。

そのような需要の変化があることから、外国銘柄ビールのライセンス製品を含めた、バラエティーに富んだビールが作られています。また、アルコール分も3%〜8%と様々。

その上で、ビールを

  • 酵母の種類
  • 熱処理の有無
  • 原料

などで分類して名前がつけられています。

酵母の種類による分類

波高の終わりに酵母が沈む下面発酵酵母を使用したビールと、発酵中に酵母が液面に浮かび上がる上面発酵酵母を使用したビール。

熱処理の有無による分類

酵母などの影響によって変質するのを防ぐため、熱による処理(パストリゼーション)をしたビールと、熱処理をしない生ビール。

原料による分類

麦芽100%のビールと、米・コーン・スターチなどの副原料を使用したビール。

色による分類

通常の淡色ビールと、中濃色ビール、濃色ビール。

ビールは大きく分けると3種類

ビールを分類する方法は様々ですが、大きく分類すると実は3種類。そのポイントは発酵。

発酵というのは、酵母菌が糖質をアルコールと炭酸ガスに分類することを指します。そして、先ほどご紹介したように発酵にも種類がある。

  • 上面発酵
  • 下面発酵
  • 自然発酵

上面発酵というのは、タンクの中で発酵が進むと麦汁の上部にビールが浮いてくるもの。逆に下面発酵というのは、発酵が進むとタンクの底にビールがたまる状態を言います。

また、上面発酵や下面発酵が人工的な酵母で発酵させるのに対し、自然発酵というのは自然に生息する天然酵母を用いてビールを精製します。ただ、最近ではこの方法で作られるビールは少なく、後で紹介する「ランビック」が有名です。

ということは、日本で主に飲めるビールは上面発酵のものと、下面発酵のものの2種類。ここからは、この2種類に絞ってご紹介します。

エールとラガーの違い

ビールの種類を語り出すと、どうしても話題に上がってくるのが「エールって何?」「ラガーはビールじゃないの?商品名?」という話。

結論を言ってしまうと、エールもラガーもビールには違いないのですが、それぞれの発酵方法が違います。上面発酵で作られるビールのことをエール。下面発酵で作られるビールのことをラガーと呼びます。

基本的にエールの方が歴史が古いのですが、ラガーは中世以降に始まり19世紀以降世界の主流になりました。ラガーが主流になった理由として、雑菌の繁殖があります。

下面発酵は低温で発酵が行われるため、雑菌が繁殖しにくく製造管理がしやすかったんですね。なので、一定品質のビールを大量に生産することができました。

日本で流通しているビール(大手メーカー製)のほとんどは、このラガーの「ピルスナー」という種類のものです。世界で最も普及しているビールですね。

エール ラガー
発酵方法 上面発酵 下面発酵
歴史 古い 新しい
発酵温度 高い
(20℃〜25℃程度)
低い
(0℃〜15℃程度)
発酵期間 短い
(3〜4日、熟成は2週間)
n長い
(7〜10日、熟成は1ヶ月)

エールというと日本ではなかなかお目にかかれないと思うかもしれませんが、

  • よなよなエール
  • 水曜日のネコ

などを販売している「ヤッホーブルーイング」という会社がエールビール専門のビールメーカーとして存在しています。

最近ではよなよなエールも人気になり、ちょっとした”ビールの美味しいお店”なら置いているところも増えてきましたよね。私もよなよな目当てにビアホールへ入り浸っています…。

世界の有名なビール

世界中には有名なビールがたくさん

ビールの定義、分類の方法について触れたところで、次に世界の有名なビールをご紹介していきます。

なかなか日本では飲むことが少ないビールかもしれませんが、気になるビールがあればビアホールなどで店員さんに聞いてみてもいいかもしれませんね。詳しい店員さんだと飲めるお店を教えてくれるかも?

ピルスナー:Pilsner

1842年チェコのピルゼンで生まれたビールで、そこの市民醸造所でつくられたピルスナーウルケルがオリジナル。

ホップ(麦)の効いた爽快な香味の淡色ビールで、世界中に最も普及しており、日本の淡色ビールもこのタイプ。

アルコール分は4.0~5.0%。下面発酵ビール。

ドルトムンダー:Dortmunder

ドイツのドルトムント地方で発展した淡色ビール。

苦味は比較的弱いが発酵度が高く日持ちがよいため、輸出ビールの先駆をとなったビール。エキスポート(Export)と呼ばれるビールはこのタイプ。

アルコール分は5.0~5.5%。下面発酵ビール。

ボック:Bock

ドイツのアインベックが発祥の地で、その後バイエルン地方で発展したビール。

元は濃色ビールでしたが、最近は淡色ビールが多くなっています。ホップの香りも芳醇で、コクがありアルコール分も高く6.0~6.5%。

これをさらに濃くしたものがドッペルボック(Doppel Bock)で、アルコール分は7.5~13.0%。下面発酵ビール。

エール:Ale

イギリスで発展したビール。

淡色でホップの香味を効かせたペール(Pale)エール、中濃色でホップの香味を抑え麦芽の香りを出した穏やかなマイルド(Mild)エール、これより色の濃いブラウン(Brown)エール、濃厚なエキスポート(Export)エール、ホップの苦味の効いたビター(Bitter)エール(単にビターともいう)、スコットランドの濃色濃厚のスコッチ(Scotch)エール等があります。

最近、日本でも各所で販売されている”よなよなエール”もこのエールに分類されるビールです。

アルコール分は2.5~5.5%。上面発酵ビール。

アルト:Alt

ドイツのデュッセルドルフで発展した濃色ビール。

ホップの香味を効かせたのが特徴で、ほぼ英国産のエールに相当します。

アルコール分は4.5~5.5%。上面発酵ビール。

ケルシュ:Kelsch

ドイツのケルン特産の淡色ビールで、製法、香味ともアルトに似ていますが、淡色麦芽だけを用いるので比較的色は薄め。

アルコール分は4.3~5.0%。上面発酵ビール。

パイツェン:Weizen

ドイツのバイエルン地方で発展したビールで淡色ビールが多いのですが、一部濃色ビールもあります。

小麦(ドイツ語でバイツェンという)麦芽を50%以上使用して苦味がたいへん弱く、炭酸ガス含量も高く、清涼感のあるビール。

本来はビンの中で後発酵させるのですが、ビン底にオリが沈むため、ろ過してビン詰めするものも。輪切りのレモンを添えると一層風味が増すおしゃれなビール。

アルコール分は5.0~5.5%。上面発酵ビール。

トラピスト:Trappiste

ベルギーに伝わる古いビールで、修道院で作られていたためこのような名前が付いています。

イギリスのエールに近く高濃度の濃色ビールで、ビン中での後発酵も行われます。

アルコール分は6.0~10.0%。上面発酵ビール。

ポーター:Porter

1722年にロンドンで作られ急速に発展したビール。

ロンドンのポーター(荷物を運搬する人)が好んで飲んだところから、この名が付いたといわれています。濃厚でホップの苦味の強い濃色ビールで19世紀中頃にスタウトが現れて急激に衰退しました。

アルコール分は5.0~7.5%。上面発酵ビール。

スタウト:Stout

1847年イギリスで原料に砂糖の使用が許可されたので、ポーターの製法で原料の一部に砂糖を用いてつくられたビール。

アイルランド、ダブリンのギネスを代表とする濃厚でホップの苦味の強い濃色ビールのほかに、スイート(Sweet)スタウトと称する低発酵性の甘いスタウトもつくられています。

アルコール分は4.0~8.0%。上面発酵ビール。

ランビック:Lambic

ブリュッセル地方でつくられる、ベルギーを代表する伝統的なビール。大麦麦芽のほかに小麦も使用され、わざわざ古いホップを使うのが特徴。

培養酵母は用いず、空気中に浮遊している酵母やバクテリアで、1~2年またはそれ以上自然発酵させます。特有の香りがあり、酸味が強いので、他のビールで割るか甘味料を加えて飲むのが一般的。

グーズ(Gueuze)はランビックの一種で、できあがったランビック1/3と1年程度自然発酵させた若いランビック2/3を混ぜて1年間発酵させた後ビン詰めし、ビンの中でさらに発酵させたもので、発泡性が強くシャンパンのような風味があります。

アルコール分は通常5.0~6.0%。自然発酵ビール。

アメリカビール:American Beer

アメリカで発展した軽いピルスナータイプのビール。

とうもろこし等の副原料を多量に用いて、ホップ(麦)の苦味を抑え、さらに炭酸ガス含量を高めて軽い香味の清涼感が強いのが特徴。カナダ、中南米の淡色ビールもほとんどこのタイプです。

アルコール分は約4.5%。下面発酵ビール。

ライト:Light

1960年頃よりアメリカで発展した淡色のビール。

原麦汁濃度を下げ発酵度を高めることに加え、残糖を少なくしてカロリーを2/3~1/2に下げています。最近流行りそうなカロリーオフビール。

アルコール分は2.8~4.3%。下面発酵ビール。

ビールは調べるほどに楽しい

いつもなんとなく飲んでいるビールでしたが、調べてみるとなんとも奥が深い。今まで、ほんと売られているものを飲んで酔っ払ってるだけでした…。

エールとラガーって同じように売ってるお店もあるけど、そこらへんをしっかり区別して売ってくれるようになればお客さんも変わるんじゃね?とか思ったり。ん〜、夢が広がる。

今度は世界中のビールを買って飲んでみたレビュー記事でも書こうかな!?…でもレビューする前に酔っ払っちゃいそう。