発達障害と知的障害ってどう違うの?

発達障害と知的障害ってどう違うの?

こんにちは、パンダリオン(@pandarion_com)です。

最近、息子が少しずつ話せるようになってきて嬉しい限りです!しっかりと会話が出来る時が来るのかと思うと、なんだか変な気持ちになりますが・・・そうなってみると「あの頃はかわいかったのにー」なんて言っちゃうんでしょうかw

我が家の息子は発達障害の疑いがあるといわれていますが、子供を持たない人、障害に関してあまり知らない人から見ると発達障害と知的障害って同じもののように感じるようですね。最近、友達と話していて気付きました。

その友達に息子のことを話すと「発達障害って知的障害なんでしょ?大変だねー」って言われます。うちの息子は発達障害といっても

  • 言葉の発達が遅れている
  • 落ち着きが無い

といった症状なので、知的障害とは少し違います。最初の頃は不安になり、お医者さんにも相談しましたがやはり発達障害と知的障害は全くの別物だそうです。

発達障害に関してはこちらで詳しくご説明しています。

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知的障害とは?

まず、知的障害とは何なんでしょうか?一般的には学習能力の無い子供を知的障害と扱っている場合が多いように感じますが、実は違うんですね。

知的障害というのは、法律的に定義されている言葉ではありません。知能能力に何らかの障害があり、支援を必要としている状態のことを表す言葉です。

発達障害と混同される理由として、知的障害が発生する(周りに認知される)のが18歳未満の発達期であることが挙げられます。発達期に発生する障害なので発達障害と混同されるようですね。しかし、その症状は発達障害とは違います。

知的障害は知的機能の障害によって認知能力(理解、判断、思考、記憶、知覚)が全体的に一般基準よりも遅れている状態を表します。

知的障害の重さ

知的障害はその重さ(症状の度合い)によって重度、中度、軽度の3種類に分類されています。

「知的」、「知能」という言葉を聴くとIQという数値を思い浮かべる方もいるかもしれません。クイズ番組などで耳にする言葉で、詳しくは理解できていないかもしれませんが「賢さ」を表す数字のような気がしますよね。

知能指数(IQ)は、

精神年齢(発達年齢)÷生活年齢(実年齢)×100

で表すことが出来ます。つまり、精神年齢と実年齢の比率をあらわした数値がIQなんですね。この式から分かるように精神年齢(発達年齢)が高ければ高いほどIQは高くなります。逆に精神年齢が低い場合はIQが低くなりますね。

このIQの数値によって

50%~70% 軽度知的障害
35%~50% 中度知的障害
20%~35% 重度知的障害
20%以下 最重度知的障害

と分類されます。この表から分かるようにIQが50%~70%の部分が知的障害のボーダーラインとされています。この間の数値であった場合は知的障害と認定されない場合も多くあるようですね。

特にこのボーダーライン上の知的障害(軽度知的障害)の場合は、パッと見だけでは知的障害があることは分かりにくい場合が多いようです。

軽度知的障害の特徴

軽度知的障害を持つ方の特徴は

  • 日常生活のスキルには支障が無い
  • 18歳でも小学生レベルの学力の場合がある
  • 清潔で、身だしなみに気を使うことが出来る
  • 簡単な文章での意思表示、理解が可能
  • 漢字など複雑なものの習得が困難
  • 集団行動や、友達との交流は可能

中度知的障害の特徴

中度知的障害を持つ方の特徴は

  • 言語発達、運動能力の遅れがある
  • 身辺の自立は出来るが、全てを一人ではこなせない
  • 衣服の着脱は自分で出来るが、TPOに合わせた衣服の選択が困難
  • お釣りなど金額計算が苦手
  • 自分が知らない場所での移動が困難
  • ひらがなでの読み書きは出来るが漢字が苦手

重度知的障害の特徴

重度知的障害を持つ方の特徴は

  • 言語、運動の発達が著しく遅い
  • ひらがなの読み書きは出来る
  • 衣食住には支援が必要
  • 箸を使用して食事をすることは可能
  • 排便、生理始末が困難
  • 挨拶など、簡単な受け答え以外のコミュニケーションが苦手
  • 体、衣類の汚れが気にならない

最重度知的障害の特徴

最重度知的障害を持つ方の特徴は

  • 言葉の発達が無く、叫び声を出す程度に留まる
  • 親を認識できないケースもある
  • 衣服の着脱が一人で出来ない
  • 失禁してしまうことがある
  • 言葉が出ないため、身振り手振りや簡単な単語を使用する
  • 一人では食事が出来ない

知的障害の原因

知的障害の原因ってそもそも何でしょうか?実は、80%ほどの割合は原因が不明とされています。特に、軽度の知的障害を抱えている場合はほとんどが原因不明です。

残りの20%は何なのかというと、

  • 染色体の異常(遺伝子異常)などの先天的な知的障害
  • 出産時のトラブル(胎児の酸素不足など)
  • 乳幼児期の高熱による影響

などが原因とされています。そういったものが原因となり、脳にダメージを与えてしまうんですね。そのダメージが知的障害として発生します。

知的障害の認定基準

知的障害の度合いを「級」で表すこともあり、厚生労働省が障害認定基準を定めています。その認定基準は以下の通りです。

1級 知的障害があり、食事や身の回りのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による医師の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの。
2級 知的障害があり、食事や身の周りのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による医師の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの。
3級 知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの。(厚生年金保険加入時の初診のみであり、ほとんどの知的障害は該当しない)

となっています。知的障害がある患者の認定は知的指数IQのみの判断ではなく、日常生活における援助の必要度を医師が判断して診断書を作成します。

発達障害と知的障害の違い

まず、発達障害というのは脳機能に障害が生じることによって発症する障害です。発達障害の患者の中には自閉症を発症する人もいますが、この場合は知的障害を伴うケースがあります。

つまり、知的障害というのは発達障害の中の一つであると言えます。

知的障害を診断するものの要素として、知能テストなどで測定される「知的能力」という能力と、社会生活を営むために必要な行動を取れる能力「適応能力」があります。

発達障害を診断する要素には「コミュニケーション能力」や「適応能力」があります。知的障害、発達障害共に診断する際の要素が非常に似ているので、重なる部分もあるんですね。そのため、発達障害=知的障害のように解釈されるのかもしれません。

自閉症

自閉症の場合には知的障害を伴うケースがあると記載しましたが、自閉症と知的障害には似た症状があるため自閉症患者には知的障害が発症している場合があります。自閉症を持ち、知的障害の症状が顕著に表れている場合に「知的障害」として認定される場合が多いようです。

しかし、知的障害を伴う自閉症を発症していても、先ほどの表に記載したように軽度の知的障害などで知的障害があまり目立たない場合には知的障碍者としては認定されないようです。IQが50%~70%のケースですね。

自閉症に関して、詳しくはこちら。

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学習能力

発達障害、知的障害と似たような症状として「学習障害」があります。

学習障害には知的障害に似ている症状があり、知能指数(IQ)が70以上であっても学習に対しての障害がある場合には学習障害と診断される場合があります。逆に、IQが70%以下の場合には知的障害と診断されるようです。

知的障害と学習障害の違いとしては、知的障害の場合、学習面を含めた各方面での知能発達に遅れが生じますが、学習障害はある特定の学習に対して遅れが生じます。学習障害は特定科目の学習に困難が生じている状態を言います。

知的障害は全面的な発達遅れなのに対し、学習障害は特定の学習だけに発達遅れが生じるんですね。

行動

知的障害を持つ幼児期の子供は、友達と遊んでいるときでも目をあわさない場合が多いようです。3歳くらいになると友達と集団行動をすることも増えます。しかし知的障害があると何かに興味があってもコミュニケーションの取り方がわからずに人と目を合わせることが出来ません。

そのほかの症状としては

  • 名前を呼んでも反応が無い
  • 言葉が顕著に遅れている
  • 指を指さない
  • 手を繋がない
  • 好き嫌いが激しい
  • 迷子になっても気にしない
  • 友達に乱暴をする

などがあります。全般的にコミュニケーションを取る事自体が分からないようで、このような行動に出るそうです。発達障害と似た症状ですが、その原因が違うようですね。

それぞれを理解する

発達障害と知的障害というのは全く同じ障害ではありませんが、発達障害のうちの一つが知的障害です。それぞれ、似たような行動を取ったり、症状が表れますね。

しかし、どちらも子供に悪気があるわけではありません。何かしたときに思いっきり「コラ!!」と叱りつけるのはなるべく控えましょう。障害を持っていると、「怒られている」という行為が判断できません。子供からしてみればいきなり大声を出されただけです。それではストレスが溜まりますよね。

お子さんにこのような症状が表れたときには、まず病院でしっかりと診断してもらうべきです。そして、お子さんとの付き合い方をもう一度見直しましょう。適切な態度を取るべきですが、お子さんに伸び伸びと成長してもらえるように、親が出来る努力を最大限行なってあげましょう。

お子さんもきっと理解してくれますよ。